$23M from One Builder Code: Inside Hyperliquid's Revenue Leaderboard
By @CoinMarketMan - 30-Jul-2026
ビルダーコード1つで2,360万ドル: Hyperliquidの収益ランキングの内側
Phantomは、単一のHyperliquidビルダーコードから$23.6Mを稼いでいる。1つのインテグレーション、すべての注文に付与された1つの手数料パラメータ、そしてすでに数百万のユーザーを抱えるウォレット。これがプレイブックのすべてだ。
ビルダーコードはHyperliquidのパーミッションレスな収益分配の仕組みだ。取引所を通じて取引を流すアプリケーションは、すべての注文にperpsで最大0.1%の手数料を付与でき、プロトコルはその手数料をビルダーのアカウントに直接クレジットする。トークン発行も、ガバナンス投票も、申請プロセスも必要ない。perpsアカウントに100 USDCと1行のコードがあれば十分だ。
エコシステム全体では、1,411のビルダーコードがHyperliquid上に登録されており、$274.9Bの流通ボリュームに対して合計$90.7Mの収益を生み出している。しかし、その分布は極端に偏っている。上位2つのビルダーだけで、これまでに獲得したビルダーコード収益全体の42%以上を占める。この記事では、誰がいくら稼いでいるか、ユーザー1人あたりの価値はいくらか、そして数百万ドルを稼ぐビルダーと数百ドルしか稼げないビルダーを分ける要因を徹底的に解説する。
数値は2026年7月時点のもので、HyperTrackerのビルダーリーダーボードより取得。
完全なリーダーボード: 歴代収益上位15社
/builders/listエンドポイントから完全なビルダーリーダーボードを取得した。歴代総収益が$775K以上のすべてのビルダーを、獲得手数料の合計でランク付けしたものが以下の通りだ。
| 順位 | ビルダー | 収益 | ユーザー数 | ボリューム | 参加時期 | | --- | --- | --- | --- | --- | --- | | 1 | Phantom | $23.6M | 153,128 | $44.8B | 2025年6月 | | 2 | Based | $15.2M | 42,967 | $44.9B | 2025年6月 | | 3 | MetaMask | $8.1M | 52,534 | $9.0B | 2025年8月 | | 4 | PVP | $8.0M | 28,223 | $17.1B | 2024年7月 | | 5 | Insilico | $3.7M | 3,339 | $36.3B | 2024年7月 | | 6 | Infinex | $2.8M | 9,283 | $5.2B | 2025年8月 | | 7 | Axiom | $2.4M | 34,093 | $23.0B | 2025年1月 | | 8 | TreadFi | $2.2M | 4,835 | $11.1B | 2025年4月 | | 9 | Dreamcash | $1.8M | 11,215 | $7.6B | 2025年6月 | | 10 | Liquid | $1.5M | 9,499 | $3.2B | 2025年6月 | | 11 | Rabby | $1.5M | 19,031 | $6.5B | 2025年8月 | | 12 | Mass | $1.5M | 1,054 | $2.5B | 2025年6月 | | 13 | Okto | $790K | 8,702 | $3.7B | 2024年4月 | | 14 | Defiapp | $780K | 8,183 | $5.5B | 2025年3月 | | 15 | Minara AI | $775K | 4,933 | $2.6B | 2025年12月 |
その集中度は際立っている。PhantomとBasedは合わせてエコシステム全体の$90.7Mのうち$38.8Mを獲得しており、Hyperliquid上でこれまでに生み出されたビルダーコード収益全体の約43%を2社だけで占めていることになる。残りの1,409のビルダーが残り57%を分け合っている。
Phantom: 2,360万ドルのウォレット統合
Phantomの圧倒的な強さは、配布力の優位性を示すケーススタディだ。このウォレットは2025年6月にHyperliquid perpsのインテグレーションを開始し、153,128のユーザーがビルダーコードを通じて$44.8Bのボリュームを流した。Hyperliquidは公式に、Phantomがビルダーコード収益で「1年以内に$20Mを突破した」ことを祝福している。
Phantomの強みはシンプルだ。Solanaで培った膨大なユーザーベースをすでに持っていた。Phantomがウォレット内にperps取引機能を追加したとき、ユーザーは新しいインターフェースを学んだり、別のサイトを訪れたりする必要がなかった。ウォレットアプリを開き、perpsタブを見つけ、取引を始めるだけでよかった。PhantomがHyperliquidを通じて流すすべての取引にビルダー手数料が乗る。獲得コストはゼロ。マーケティング費用もゼロ。純粋な配布力のレバレッジだ。
$44.8Bのボリュームに対する$23.6Mの収益は、1ドルあたり約5.3ベーシスポイントに相当する。これはHyperliquidが許容する上限0.1%(10ベーシスポイント)の範囲内だ。Phantomはユーザーが離れない程度に低く、かつボリュームだけで相当な収益を積み上げられる程度に高い手数料水準を選んだことになる。
BasedとPhantom: 同じボリューム、異なる経済性
Basedは$15.2Mの収益で2位につけているが、Phantomとの比較が直感に反する事実を浮かび上がらせる。Basedが流したボリュームはPhantomとほぼ同じで、$44.8Bに対して$44.9Bだった。それでも手数料収益は$8.4M少ない。
計算は単純だ。Basedの実効手数料率が低い。$44.9Bのボリュームに対する$15.2Mの収益は、1ドルあたり約3.4ベーシスポイントに相当する。Phantomの料率は約5.3ベーシスポイントだ。この1.9ベーシスポイントの差が、数十億ドル規模のボリュームに掛け合わさると、その差を生み出す。
Basedが達成したのは42,967のユーザーで、Phantomの153,128を大きく下回る。ユーザー数が少ないのに同等のボリュームを生み出しているということは、Basedのユーザーは1人あたりの取引量がはるかに多いことを意味する。プロファイルが根本的に異なる。Phantomの強みは「幅」、つまりperps取引も行うウォレットユーザーの多さにある。一方、Basedの強みは「深さ」、すなわち1人あたり膨大なボリュームを生む専業トレーダーの質にある。
効率の外れ値: MassとInsilico
ユーザー1人あたりの収益は、総収益とはまったく異なるストーリーを語る。各ビルダーの歴代収益をユーザー数で割ると、リーダーボードの顔ぶれが一変する。
Massがユーザー1人あたり$1,395の収益でトップに立ち、ユーザー数はわずか1,054だ。Insilicoが3,339のユーザーから1人あたり$1,113で続く。Phantomの1人あたり$154やAxiomの$69と比較すると、その差は歴然だ。
ユーザー1人あたりのマネタイズに20倍もの差が生まれる理由は何か。ニッチなプロトコルは高頻度・高ボリュームのトレーダーを引き寄せる。Massのユーザー数は1,054に過ぎないが、彼らは$2.5Bの取引ボリュームを生み出した。これはユーザー1人あたりの生涯取引額が約$2.4Mに相当する。perpsに手を出したカジュアルなウォレットユーザーではない。そのアプリケーションを主要な取引基盤として使っている専業トレーダーたちだ。
Insilicoはさらに劇的な数字を見せる。3,339のユーザーが$36.3Bのボリュームを生み出した。ユーザー1人あたり$10.9Mのボリュームになる。比較すると、Phantomの15万3千ユーザーは1人あたり平均約$293Kの取引を行った。
ビルダーへの示唆はこうだ。ビルダーコード収益を最大化したいなら、ユーザー数よりユーザー1人あたりのボリュームの方が重要だ。少数のパワートレーダーのコホートが、大勢のカジュアルユーザーベースよりも多くの手数料を生み出せる。
ビルダーコードの仕組み(60秒で理解する)
ビルダーコードはオンチェーンの手数料帰属システムだ。ユーザーがHyperliquidと統合したアプリケーションを通じて取引を行うと、そのアプリケーションはビルダーアドレスと手数料パラメータを注文に付与する。プロトコルは約定時にその手数料を差し引き、ビルダーのアカウントにクレジットする。
仕組みの詳細:
- 手数料上限: perpsで0.1%、spotで1%
- 参入障壁: perpsアカウントに100 USDC
- ユーザー同意: 手数料が発生する前に、トレーダーはメインウォレットで最大ビルダー手数料の承認に署名する必要がある(いつでも取り消し可能)
- 柔軟性: 手数料は注文ごとに設定されるため、ビルダーは料率を動的に調整できる
- 透明性: すべてのビルダー手数料データはオンチェーンで公開されており、API経由で照会可能
ビルダー手数料は、Hyperliquidのベースプロトコル手数料(最低ボリュームティアでテイカー0.045%、メイカー0.015%)の上に乗る形になる。つまりPhantomを使うトレーダーは、すべての取引でプロトコル手数料とPhantomのビルダー手数料の両方を支払う。それでも総コストが中央集権型取引所と比較して競争力を維持できるのは、Hyperliquidのベース手数料がperps取引の中ですでに最低水準にあるためだ。
ウォレット戦争: Phantom vs MetaMask vs Rabby
Hyperliquid上でビルダーコードを登録した主要ウォレットは、Phantom、MetaMask、Rabbyの3つだ。規模は大きく異なるが、効率性は驚くほど似通っている。
| ウォレット | 収益 | ユーザー数 | ボリューム | 1人あたり収益 | | --- | --- | --- | --- | --- | | Phantom | $23.6M | 153,128 | $44.8B | $154 | | MetaMask | $8.1M | 52,534 | $9.0B | $153 | | Rabby | $1.5M | 19,031 | $6.5B | $77 |
PhantomとMetaMaskはどちらも1人あたり約$153~154でマネタイズしている。MetaMaskのユーザーベースはPhantomの3分の1、ボリュームは5分の1に過ぎないにもかかわらずだ。どちらのウォレットも、すでに暗号資産を保有していてウォレットからperps取引を試みるという、類似したタイプのユーザーを引き寄せるため、1人あたりの経済性が収束する。規模は違っても、ユーザープロファイルは似通っている。
Rabbyは1人あたり$77とやや低い水準でマネタイズしている。19,031のユーザーが$6.5Bのボリュームを生み出しており、1人あたりのボリューム($341K)は実際にはPhantom($293K)を上回る。1人あたりの収益が低い理由は、Rabbyがより低いビルダー手数料率を設定していることを示唆しており、低コストでボリュームを集める意図的な戦略である可能性がある。
ロングテール: 残り1,396のビルダーが$1,610万を分け合う
上位15社の下では、経済性は厳しくなる。上位15社は$90.7Mの総収益のうち$74.6Mを獲得している。残り$16.1Mが1,396のビルダーで分け合われており、単純平均で1社あたり約$11,500だ。
ただし、べき乗則的な分布では平均値は実態を反映しない。残り1,396のビルダーの大部分はほとんど稼いでいないはずだ。多くはビルダーコードを登録し、ボットや小規模なフロントエンドに組み込んだものの、ほとんどボリュームを生み出せていないと考えられる。ビルダーコードシステムの参入コストはほぼゼロ(100 USDCだけ)であるため、実質的に使われないコードを登録することを妨げる障壁が存在しない。
統合を検討しているビルダーにとって、上位15社から得られる教訓は明確だ。収益は配布力についてくる。数百万ドルを稼ぐビルダーは、既存のユーザーベースを持つウォレット(Phantom、MetaMask、Rabby)か、専業の高頻度ユーザーを抱えるトレーディングプラットフォーム(Based、PVP、Insilico、TreadFi)のどちらかだ。スタンドアローンのフロントエンドを作ってユーザーが見つけてくれるのを待つのは最も弱い戦略だ。ユーザーがすでに取引しているワークフローに組み込むことが、$23Mと$23の差を分ける。
HyperTrackerでリーダーボードを追跡する
この記事のすべての数値は、HyperTrackerの/builders/listエンドポイントへの1回のAPIコールから得られた。このエンドポイントはHyperliquid上のすべてのビルダーコードについて、収益・ボリューム・ユーザー数・登録日をフルリーダーボード形式で返す。集計期間は歴代・月次・週次・日次から選択可能だ。
ビルダーリーダーボードを自分で照会する
HyperTrackerのビルダー分析APIは、Hyperliquid上のすべてのビルダーコードの収益・ボリューム・ユーザー指標にプログラムからアクセスする手段を提供する。リーダーボードの推移を追跡し、ビルダーのパフォーマンスを比較し、独自のダッシュボードやリサーチにデータを組み込むことができる。
Hyperliquid上でプロダクトを出荷しているビルダーにとって、私たちのデータは実践的な問いに答える。どのビルダーコードが最もユーザーを獲得しているか。どれが1人あたりのボリュームを最も多く生んでいるか。市場と比較して自社の収益はどう位置づけられるか。トレーダーにとっては、どのアプリケーションがどのビルダー手数料を課しているかを把握でき、執行判断にコストを織り込むことができる。
ビルダーコードはHyperliquidをDeFiにおいて稀有なプラットフォームに変えた。サードパーティによる配布が直接インセンティブを持ち、透明に計測される場所だ。$90.7Mが、単一の補助金申請も、財団の承認も、トークン割り当ても経ずにプロトコルからビルダーへと流れた。ユーザーを連れてきたアプリケーションが手数料を得た。政治もなく、ロビー活動もなく、ガバナンスの見せかけもない。出荷し、ボリュームを流し、報酬を受け取る。